宮原徹の日々雑感

渋谷で仮想化している社長の日記です

起業して20年が経った社長が(脳内)質問に答えてみる

今日は株式会社びぎねっと 創立20周年記念日です。そう、起業してから20年が経つんですね。まあ、正確には登記申請などは12月ぐらいからやっていて、登記が完了したのが1月24日ということなのですが、そこはあまり気にしないでおきます。

とりあえず、20年をふり返るというよりも、起業したいと思っている人に20年の経験からアドバイスつもりでつらつらと書いてみることにします。

 

なんで起業したの?

自分で決めて実行する、ということができないのが我慢できなかったから。細かいことは割愛しますが、結局自分のやりたいようにやるには社長になるしかない、という結論に達したため。追い込まれ解散、総選挙という感じ。

よく起業したい、社長になりたい、みたいな話を聞いたりしますが、そういう人にはまったくお勧めできません(もちろん例外はあるが、成功する確率は圧倒的に低いと思う。0.01%ぐらいかな)。

 

社長は大変?

大変といえば大変。

理想を言えば、社長は一切仕事をしなくても廻るのが理想だと思う。幸いなことに今はそういう状況に近い日もあるのですが、20年のうちの大半は、プレイングマネージャーとして一人何役もこなさないと仕事が回らない時期だったように感じます。

 

起業したいんですが

まったくお勧めしません。

自分のやりたいことをやりたいのであれば、それをやらせてくれる会社を探して就転職する方が絶対にパフォーマンス高く仕事ができます。

まず、起業して会社を作ると、何もしないでも税金その他の経費が出ていきます。その金額を利益として稼ぐのはまあまあの売上利益が必要です。

次に、事務仕事などの面倒くさいことを沢山引き受ける必要があります。面倒くさいことなので、誰かにお願いしようとすると結構なコストがかかります。その金額を利益として稼ぐのはまあまあの売上利益が必要です。

そのあたりを承知した上で、どうしても我慢ができなくなったら起業すればいいと思います。そのためにまずはどこかの会社の社長の鞄持ちになって、社長の仕事を手伝わせてもらって自分にできるかどうかを体験したら良いと思います。

私の場合、幸いなことに最初の会社、次の会社ともに社長に接する機会も多かったし、転職して形だけですが社長にもなっていたのは、長い目で見てプラスに働いた面はあったと思います。

 

社長になりたいんですが

今は資本金1円でも起業できるので、誰でも簡単に社長になれます。

定款を自分で作るなど極限まで自分でやれば、初期コストもかなり抑えられます。上記各種コストもプラチナカードでも持っているつもりで支払えば、社長というプレミアムなステータス(嘘はついていない)を維持できるので、それなりのメリットを感じられる人もいるかもしれません。

ただし、うっかりビジネスには手を出さないことをお勧めします。あくまでペーパーカンパニーのままにしておきましょう。

そういえば、今は銀行で法人口座を作るのが結構大変らしいですね。私の時はそうでもなかったのですが。個人口座にしっかりお金を貯めて、実績を作っておくのは大事ですね。

 

起業するのにお金はどれぐらいいるの?

何をするかにもよりますが、最悪自分が数年は超低空飛行で生きていける程度には蓄えは必要です。蓄えが無いのに起業するのは、パラシュートを背負わずにスカイダイビングするようなものですね。

私がIT系で起業して良かったと思うのは、設備投資コストが極限まで安くできる面だと思います。20年経った今なら、クラウド利用などでさらにCAPEXを下げられるのでいい時代になったと思いますが、それは平等に恩恵を与えているのでアドバンテージというわけでもないですね。調子に乗ってクラウド課金死にしないように気をつけてください。

 

会社は倒産しないんですか?

すごく簡単に倒産します。私も実質一度倒産したような気がしますし、何度も危機的な状況に直面してきているので、潰れるときはあっという間だなと思います。

基本的に、会社は倒産するものだと思って起業した方がいいですね。やり直しが利かない日本社会でも強く生きていける、根拠の無い自信が必要です。

 

起業して良かったですか?

良いも悪いも、追い込まれ解散、総選挙ですから。

でも、当初の目標通り、やりたいようにやる、ということは実現できているので、良かったと思います。

 

どういう人が社長に向いてますか?

利他的な人の方が向いていると思います。

基本的にどんなシチュエーションにおいても、社長が貧乏くじを引きます。それが当たり前と思えるし、苦で無い人なら長く続けられると思います。

利己的な人は、たまたま運が良ければ売上利益も上がって会社も成長しますが、大体続かなかったように思います。

そういう意味では、節目節目にほどよく運が良いことを小出しにできる程度の運のいい人は社長に向いているかも知れません。

 

とりあえず、これぐらいで。

次は5年後に。