宮原徹の日々雑感

渋谷で仮想化している社長の日記です

Loupedeck CTをFinal Cut Pro Xで使用するも日本語環境への対応はまだまだこれから?

ここ最近、動画編集をする機会が増えてきたので、少し外部デバイスも使ってみるか、ということで気になっていたLoupedeck CTを購入してみました。

 

 

購入後、初期不良で交換リクエストに時間がかかったりとかなり手間でした。私はついヨドバシカメラで買ってしまったのですが、このあたりの手間は圧倒的にAmazonだなと感じました。難しいですね・・

 

ガジェット好きな人にはお勧めです(追記)

誤解を恐れずに最初に書いておくと、ガジェットが好きで、写真とか好きな人には多分お勧めできると思います。私も今後、あれこれいじっていくつもりです。

でも、短期的に成果を求めるタイプの人にはお勧めできないかな。良くも悪くも鈍感力、スルー力を求める製品だということは言えると思います。

 

褒めてるだか、けなしているんだか・・

 

日本語対応はまだまだこれから

細かいことを書いているとキリがないのでザックリといきますが、Loupedeck CTはデバイスとしてはキーボードとして認識されます。ですので、キーボード部分はキーボードですが、ダイヤル部分もキーボード入力として動作します。基本的にデフォルトでは英語キーボードとして動作することを前提にアサインが行われているので、日本語キーボードのままだと思ったように動作してくれません。

私が一番使いたかった機能の1つがズーム機能です。ズームアウト(時間軸を縮めて全体を見ていく)は動きますが、ズームイン(時間軸を広げて詳細に見ていく)は動作しません。これは、日本語キーボードだとCmd+^にアサインされているのが、英語キーボードだとCmd++(プラスキー)にアサインされている違いに起因します。用意されているLoupedeck CT用コマンドセットもCmd++しかズームインにアサインされていないので、正常に動作しないというわけです。

修正方法としてはFinal Cut Pro Xのキーカスタマイズで、ズームインのところでダイヤルを右に回してCmd+^を入力してやることでキーアサインが追加され、正常に動作するようになります。

このような感じで、ある程度Final Cut Pro Xのコマンドセットで対応できる部分も多いので、できれば日本語環境でのコマンドセットを別途配布してくれたら嬉しいのですが。少なくとも各配列用コマンドセットをインストールすれば、切替で対応できるところも多いはず。でも、そもそもインストールに失敗するケースすらあるようなので(ドキュメントには一応対応策も書いてある)、対応には時間がかかりそう。多分、PhotoshopLightroomなど写真編集用ソフトの方がユーザーも多くて優先度が高いのだと推測します。

 

ホイールがシャトルじゃなくてジョグだった件

もう1つ、あれ?と思ったのがホイールの使い方の件。デザインで特徴的なのが大きなホイールで無段階で回転しますが、ビデオ編集だとここは再生、逆再生のシャトルホイールになります。ドキュメントにもそう書いてあるのだけど、実はこれシャトルではなくジョグだったという・・

まず整理すると

ジョグ:コマ送りする機能

シャトル:再生速度を切替ながら必要部分を探す機能

となります。

シャトルはよく「きゅるきゅるきゅる」と早回しさせたり、「そこストップ!」みたいな感じでやるアレです。これをやるためにはゼロ位置(大体12時方向)があって、そこから右に回すと正方向再生、左に回すと逆方向再生になって、角度によって速度が変わる、ということになります。

マニュアルを見ると、以下の様に書いてあります。

For navigation through lots of material, the SHUTTLE WHEELis the best choice as it accelerates depending on how much you turn the wheel. Maximum speed is reached at 90 degrees rotation of wheel. Releasing the wheel stops the play-head instantly.

it accelerates depending on how much you turn the wheel」は「どれぐらい傾けたかによって加速する」、「Maximum speed is reached at 90 degrees rotation」は「90度廻すと最高速」、「Releasing the wheel stops the play-head instantly.」は「ホイールを話すと再生ヘッドが止まる」ということでシャトルホイールとして機能することを説明しています。

しかし、実際の動作は異なっています。

・ゆっくりと廻すと1コマ送り

・少し早く廻すと10コマ送り

・早く廻すとクリップの端までスキップ

となっています(サポートの方から教えていただいた)。確かにそう動作しています。

 

いや、これ、シャトルじゃないやん、ジョグやん・・

 

でも考えてみれば、無段階ホイールで、ゼロ位置はともかく、手を離したとか検知するの無理じゃね?(多くのシャトルはバネでゼロ位置に戻る)

だとしたらシャトル機能を実装するのも無理だよね・・

1000歩譲ってジョグ機能だとして、1コマと10コマの違いが微妙すぎて思ったようにコマ送りができないし、ピーキーすぎてあっという間に端までスキップしてしまうので、現状のままではジョグホイール機能は使えないと判断。

本当は再生停止も使いたいんだけど、シャトル機能は諦めて、カスタマイズで1コマ10コマ送りをするナビゲーションホイールに変更しました。

ここ、一応機能改善リクエストをお願いしたんだけど、実装されるかな。されるといいな。無理だろうな・・

 

Final Cut Pro X用にはお勧めしにくい

というわけで、まだ一部の機能しか触っていませんが、一番基本的なホイール機能がビデオ編集には合っていないということが分かったので、ここが大幅に改善されないとLoupedeck CTをビデオ編集用(Final Cut Pro X用)としてはお勧めしにくいなと感じました。なかなか面白い製品だと思うんだけど、デバイス特性上仕方ない部分もあるかと思うし、発展途上の製品だとも感じた(クラウドファンディング的でもある)。

私は写真もやるので、Lightroomなどでも使うつもりで、こちらは評判がいいようなので期待したい。使用用途はよく考えて購入することをお勧めしたいデバイスだとは思う。